2020/11/09トピックス 直流電源を用いた鉄筋コンクリート構造物の加熱破砕 戸田建設との共同開発
株式会社NF千代田エレクトロニクス(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:栗原 博)は、戸田建設株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:今井 雅則)と共同で、直流電源を用いた鉄筋コンクリート構造物の解体工法を開発しました。
千代田エレクトロニクスは、表面処理をはじめとする各種産業分野向けに、大容量・大電流・高電圧などの直流電源を提供しています。最大30,000Aの大電流、めっき、焼結、防食などの現場で使用できる耐環境性などのニーズに対応した数多くの実績があります。
2020年10月に戸田建設より発表された、鉄筋コンクリート構造物の新しい解体工法である「通電加熱破砕工法(マスホット工法*1)」には、出力電圧 50 V、出力電流 2500 Aの千代田エレクトロニクス製直流電源(写真1)が使用されています。
本工法は、発熱により鉄筋やコンクリートが膨張し、コンクリートにひび割れを発生させることで、コンクリートと鉄筋の付着強度を約1/3に低下させ(図1)、解体作業を容易にする解体補助工法です。
2500 Aを通電し、鉄筋温度を1000℃以上に加熱します。直流電源の出力をコントロールすることで、鉄筋の温度を調整しながら、解体作業を行います。
従来より、大型ブレーカを用いた解体工法が一般的ですが、作業によって発生する振動や騒音、粉塵などが周囲環境に及ぼす影響が課題となっています。また、地下の場合、基礎の構造体断面が大きいにもかかわらず、作業空間が狭いため、大型機械の使用が制限されるなどの課題もあります。
直流電源を用いる通電では、電源ケーブルを接続すれば作業ができるため、地下などの狭い作業空間にも適用できることが特長です。
当社は、塵埃の多い現場でも長期間にわたって使用できる耐環境性の高い装置の開発、大型電源の設置や大電流用の太い電源ケーブルの引き回しなどに多くの実績があることから、多様な解体作業現場への対応が可能です。
本工法を用いた解体作業は、施工中の新TODAビル計画に伴う解体工事に適用されました。
- 登録商標出願中、特許出願中
戸田建設ニュースリリース(外部リンク:戸田建設Webサイト)
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